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Theme 固形がんに対する免疫療法と分子標的治療の進歩 Pharmacogenomics and biomarker

原発不明がんの免疫プロファイル

原谷浩司

がん分子標的治療 Vol.18 No.2, 99-103, 2020

原発不明がんは,転移性悪性腫瘍の存在が臨床的かつ病理学的に証明されているが十分な臨床的検索によってその原発巣を同定できない疾患群である。そのような性質のため,病態は不均一であり治療法は十分に確立していない。一部の例外を除いて予後不良であり,われわれ臨床医にとっても悩ましい疾患といえる。一方で,免疫チェックポイント阻害薬の登場により,近年のがん薬物療法の治療成績は大きく改善してきている。免疫チェックポイント阻害薬はがん種にかかわらず幅広く成功していることから病態が不均一な原発不明がんにおいても治療効果が期待されている。本稿では,原発不明がんにおける免疫治療の開発についてわれわれの施設での免疫プロファイルに関する取り組みを含めた近年の動向を説明する。
「KEY WORDS」原発不明がん,免疫プロファイル,免疫治療,免疫チェックポイント阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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