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J-ALEX 試験
がん分子標的治療 Vol.15 No.1, 81-84, 2017
ALK 融合遺伝子陽性は,進行非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer;NSCLC)の4~5%に認められ,進行・再発例における1次治療は比較試験の結果からALKとc-Metに対するチロシンキナーゼ阻害薬であるクリゾチニブ単剤が推奨されている1)。1次治療におけるクリゾチニブ単剤は無増悪生存期間(PFS)中央値10.9ヵ月,奏効率74%の成績が示されており,主な有害事象として悪心や下痢などの消化器毒性,視覚障害,好中球減少,肝障害,間質性肺疾患などが報告されている。一方,アレクチニブはALK親和性のより高いALK阻害薬であり,ALK阻害薬未治療のALK融合遺伝子陽性進行・再発NSCLCに対して日本で行われた第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験において,奏効率93.5%,PFS中央値29ヵ月以上の良好な成績が報告され,忍容性も良好であったことが示されている2)3)。また,クリゾチニブ耐性例においても奏効率48~50%,PFS中央値8.1~8.9ヵ月の成績が示されており,脳転移病変に対する有効性も報告されている4)5)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。