Theme 新たな抗体治療の展開
新たに開発された抗体治療 骨転移
Bone-targeted therapy
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 51-57, 2015
「SUMMARY」がんの骨転移をきたした患者においては,その後の治療の継続性やQOLに深く関わる骨関連事象(SRE)の発症予防は必須である。従来,第3世代のビスホスホネートであるゾレドロン酸がこの分野で果たした役割は大きい。しかし,近年になって,骨転移治療薬としては初の分子標的薬である完全ヒト型抗NF-κB活性化受容体リガンド(RANKL)モノクローナル抗体製剤デノスマブに期待される役割が大きくなってきた。初回SRE発症までの期間を主要評価項目とする第Ⅲ相臨床試験において,デノスマブはゾレドロン酸に比して優るとも劣らない成績を証明した。今後は骨転移を治療標的とした分子標的薬の開発が進む一方で,優れた薬剤を確実に有効活用するための臨床的な配慮も必要とされる。
「KEY WORDS」骨転移,骨関連事象,NF-κB活性化受容体リガンド,デノスマブ,ゾレドロン酸
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