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特集 アルコール・薬物使用障害の診断・治療ガイドライン2018

4.薬物療法の観点から

宮田久嗣

Frontiers in Alcoholism Vol.6 No.2, 28-34, 2018

アルコール・薬物依存症の薬物療法では,エビデンスレベルの高い治療薬は限定され,この領域に適応を取得した治療薬も多くはない。本稿では,アルコール・薬物使用障害の診断・治療ガイドラインの考え方を基軸にして,依存症の薬物療法を解説する。アルコール依存症では,断酒が最も確実な治療目標である。しかし,臨床現場では,アルコール依存症の重症度や治療への動機づけの程度に応じて,「断酒」と「飲酒量低減(節酒)」の二通りの治療目標の選択肢がある。その適応と治療法について概説する。アルコール以外では,ニコチンにおいてエビデンスレベルの高い治療薬が存在する。その他,精神刺激薬,オピオイド,幻覚薬,有機溶剤,ベンゾジアゼピン系薬物の依存症の薬物療法を,薬物摂取(節酒欲求),離脱症状,関連精神障害の治療に分けて概説する。
「KEY WORDS」アルコール・薬物依存症,薬物療法,診断・治療ガイドライン,断酒,飲酒量低減

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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