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Know-how 女性の健康に関するベーシック

女性ホルモンと肌

馬場泰輔加藤茂明

WHITE Vol.7 No.1, 71-77, 2019

皮膚は絶えず細胞分裂を繰り返し,表皮の細胞が脱落し,皮下の新しい細胞が入れ替わることで鮮度が保たれる.しかし加齢をはじめとしたさまざまな要因により皮膚も老化する.なかでも太陽光線は,皮膚の構成成分(図1)にダメージを与え老化を促す.皮膚の老化の要因の半分以上は太陽光線に起因すると言われている1).太陽光線は,波長の違いによって,皮膚の奥深くまで到達する波長の長い赤外線から,皮膚層そのものにまで到達し直撃する紫外線までの複合光線である.特に皮膚の細胞内に到達し,エネルギーの強い紫外線は,細胞内DNAに物理的な損傷を与え,シミ・ソバカスを誘引するだけではなく,場合によっては健康な細胞分裂の阻止や細胞の癌化を引き起こすことがわかっている.また赤外線は,皮膚のタルミを誘引すると言われている.太陽光線の強い夏季には,さらに光アレルギーを誘発することがわかっている.したがって化粧品を始め,太陽光線曝露を防ぐ手立ては,皮膚の老化防止に効果があることは周知の事実である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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