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Basic & Clinical Topics

[基礎①]可溶性エポキシド加水分解酵素の阻害は,糖尿病網膜症を予防する

加藤誠神谷英紀

DIABETES UPDATE Vol.7 No.3, 14-16, 2018

糖尿病網膜症は成人における失明の重要な原因の1つであり,網膜細小血管を構成する内皮細胞と周皮細胞の進行性喪失のほか,血管漏出および網膜浮腫をもたらす血管間接合部の緩徐な破綻を特徴とする。初期病変として,内皮細胞の機能異常,周皮細胞の脱落と血管壁の基底膜肥厚がみられ,網膜症が進行すると炎症性細胞の浸潤,組織破壊および血管新生がみられるようになる。Fremingらのグループは以前より可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)が,ドコサヘキサエン酸由来のジオールである19,20-ジヒドロキシドコサペンタエン酸(19,20-DHDP)を生成することで周皮細胞の喪失や内皮バリア機能の破綻を招く重要な酵素であることを示した。本論文で著者らはsEH発現の増加は糖尿病網膜症の病因における重要な因子であり,sEHを阻害することにより網膜症進行を抑制しうることを示唆した。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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