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コンサルテーション

シックデイをきたした2型糖尿病患者の症例報告

長嶋一昭稲垣暢也

DIABETES UPDATE Vol.4 No.3, 30-33, 2015

「はじめに」糖尿病患者で血糖コントロールが不良な状態が続くと,好中球機能の低下等に起因する易感染性リスクが上昇し1),様々な感染症を併発する。特に高齢の糖尿病患者ではそのリスクが高いため注意が必要である。一旦,それらを併発すると,インスリン需要量が増し,併発疾患の適切な治療と血糖管理が行われない場合,高血糖状態が持続し,さらに悪化すると糖尿病ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis:DKA)あるいは高血糖高浸透圧症候群(hyperglycemia hyperosmolar syndrome:HHS)へと進展する2)。糖尿病患者が治療中に発熱,下痢,嘔吐をきたしたり食欲不振のために食事が摂れないときをシックデイと呼ぶ3)。シックデイの原因となる感染症,外傷などは,インスリン拮抗作用および肝糖新生増加作用を有するコルチゾール,インスリン分泌抑制と肝グリコーゲン分解・糖新生亢進作用を有するカテコールアミンの分泌亢進を惹起するとともに,インターロイキン(IL)-1,IL-6,TNF-αなどの炎症性サイトカイン増加によるインスリン抵抗性の増大と相まって,インスリン需要の増加と血糖状態増悪をきたす。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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