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特集 わが国発の心不全における利尿薬研究の最前線

ループ利尿薬と塩分補充

Salt and diuretics in the management of heart failure

奥原祥貴廣谷信一増山理

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.4, 37-43, 2015

「Summary」心不全における塩分と利尿薬の関係は実に興味深い。古くから心不全管理には塩分制限が必要とされてきたが,最近は過度な塩分制限が神経体液性因子の活性化,糸球体濾過量の低下,予後の悪化につながることが指摘されている。一方,心不全に対する塩分補充は好ましくないとされてきたが,塩分を適切な量の利尿薬と併用すると,利尿薬の効果を高めることが知られている。われわれは,その効果が糸球体濾過量の増加を介したものであり利尿薬抵抗性心不全に対しても有効であることを報告しており,decongestionを得るための治療オプションとして有用であると考えている。慢性期においては塩分投与量を決定する際に患者背景や併用利尿薬量を勘案しなければならず,それらの詳細なアルゴリズムを作成するべく今後も研究が必要である。
「Keywords」塩分制限,利尿薬,高張食塩水,糸球体濾過量,decongestion

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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