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特集 臓器浮腫・うっ血の病態とその治療法

脳の浮腫・うっ血の病態と治療法

Pathophysiology and treatment of cerebral edema and congestion

仁藤智香子木村和美

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.2, 45-50, 2015

「Summary」脳浮腫は,脳卒中や頭部損傷,脳腫瘍などの多くの脳疾患にみられる病態であり,患者の転帰にきわめて重大な影響を及ぼす。よって,臨床的に有効な治療薬の開発は最重要課題であるが,この数十年間は大きな進歩がみられていない。脳浮腫はその発症機序から古典的に2つのタイプに分類されており,おのおのの病態生理に応じた治療法を開発することがより有効な脳浮腫治療につながると考えられている。また近年,グリア細胞の1つであるアストロサイトに存在する水チャネル蛋白がこの2つの病態に大きく関与していることが報告されており,この蛋白を制御しうる薬剤の開発を目的とした多くの研究が現在進行中である。
「はじめに」脳浮腫(cerebral edema)とは,脳実質内に異常な水分貯留を生じ,脳容積が増大した状態のことである。浮腫はすべての臓器や組織に生じるが,脳の浮腫はほかの臓器浮腫よりも重症化しやすく,それが直接の死因となる場合がある。脳浮腫が進行し,脳組織容量の増加により頭蓋内圧の上昇とともに脳ヘルニアを誘発し,致命的損傷を引き起こす可能性がある(図1)。
「Keywords」脳浮腫,血液脳関門,アクアポリン,アストロサイト

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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