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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

使用経験 トルバプタンの効果予測因子

Diagnostic predictors of a response to tolvaptan

小木曽智美徳重克年橋本悦子

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 95-102, 2014

「Summary」非代償性肝硬変による難治性腹水は,しばしば治療に難渋する。近年,選択的バソプレシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンが肝硬変における体液貯留にも使用可能となり効果が期待されている。トルバプタン治療の有効性と効果予測因子に関して検討する。既存の利尿薬で腹水コントロール不十分であった肝硬変患者32例にトルバプタンを投与した。トルバプタンは3.75mgより投与し,一部の症例では7.5mgまで増量した。効果判定は投与翌日の尿量が1.5倍以上増加し,かつ1週間後の体重が1kg以上減少した例を効果ありとした。効果あり群は20例(63%)で年齢,性別,基礎疾患など患者背景に有意差は認めなかった。血液生化学検査では,効果あり群で総ビリルビン(T-Bil)は低く,総コレステロール(TC),中性脂肪(TG),血小板数(PLT),プロトロンビン時間(TP)は有意に高かった。Child-Pugh scoreおよびMELD scoreは効果あり群で低値であった。効果は肝機能と相関し,特にChild-Pugh score11点以上では効果は低く(AUC 0.78),効果予測因子となりうると考えられた。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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