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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

使用経験 肝性浮腫の新しい治療戦略―トルバプタンによる治療はアルブミン製剤の節減につながるか―

New strategy for hepatic edema; is tolvaptan reduced intravenous albumin infusion?

田原利行

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 85-89, 2014

「Summary」トルバプタンの適応症に肝性浮腫が追加され,1年が経過した。当科でトルバプタンによる加療を行った35例について,トルバプタン開始1週間後の体重の増減などについて検討を行った。トルバプタン開始1週間後に平均で3.06kgの体重低下を認めた。トルバプタン投与前の血清Naが140mEq/L以上の症例では平均3.96kgと,140mEq/L未満の症例の平均2.68kgに比べて有意に体重の低下を認め,トルバプタン投与前の血清Naはトルバプタンの効果予測因子である可能性が示唆された。また,トルバプタンの併用により血清アルブミンが2g/dL未満を呈するような症例においても,アルブミン製剤の投与なしに1週間で平均2.5kgの体重低下が得られた。1週間以降もアルブミン製剤の投与を必要としない症例が多数あり,アルブミン製剤の節減につながる可能性が示された。トルバプタンの適応や併用するタイミングに関しては,肝機能,血清アルブミン,血清Na,腎機能,神経体液性因子の活性化という観点から,臨床データ,基礎的データのさらなる集積を行い,肝性浮腫の治療最適化をめざしていく必要がある。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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