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New Arrival & Comment 新着論文解説

要訳と解説(1)2型糖病患者における骨密度高値と骨折リスクの増加は,不十分な血糖管理状態による骨合併症である

山本昌弘

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.4 No.1, 26-30, 2014

「概要」2型糖尿病患者では, 骨密度が高値であるにもかかわらず骨折リスクが高い. 筆者らは前向きコホート研究であるロッテルダム研究の参加者4,135名のデータを用いて, 高血糖による骨合併症を調査した. 非糖尿病(ND)群3,715名とともに, 観察開始時のフルクトサミン値から算出したHbA1cが7.5%未満の適切血糖管理(ACD)群203名と7.5%以上の不適切血糖管理(ICD)群217名を, 平均12.2年観察した. その結果, 年齢, 性別, 身長, 体重, および大腿骨頸部骨密度の調整後において, ICD群は, ACD群およびND群と比較してどちらも有意に骨密度が1.1~5.6%高く, 皮質骨が4.5~5.6%厚く, 大腿骨頸部が1.2~1.8%細かった. またND群およびACD群と比較して, ICD群は47~62%骨折率が高かった(おのおのハザード比1.47[95%信頼区間1.12~1.92]および1.62[1.09~2.40]). 一方, ACD群の骨折率はND群と同等であった(0.91[0.67~1.23]). 血糖管理が不十分な2型糖尿病患者の骨は, 一見すると丈夫に見える. しかし, 実際には骨折のハザード比が高いことから, 著者らは2型糖尿病患者の骨の脆弱性が, 骨の修復障害による微細なひび割れの集積や皮質骨の多孔化により生じていることを提案している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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