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New Arrival & Comment 新着論文解説

要訳と解説(2)スピロノラクトンはKlotho低発現マウスにおけるPIT1依存的な血管石灰化を抑制する

Voelkl J, Alesutan I, Leibrock CB, et al: Spironolactone ameliorates PIT1-dependent vascular osteoinduction in klotho-hypomorphic mice. J Clin Invest 123: 812-822, 2013

秋好沢諭秋下雅弘

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.3 No.4, 31-35, 2013

[概要] Klotho遺伝子は活性型ビタミンDである1,25-hydroxyvitamin D3 (1,25(OH)2D3)の合成および代謝を強力に制御していることが知られている. Klotho低発現マウスは重度の成長障害を引き起こし, 早期老化, 高リン血症, 高アルドステロン血症, そして動脈硬化や異所性石灰化などをもたらし, Klotho低発現マウスの終末像は腎不全終末期とよく似た病態を呈する. 鉱質コルチコイド受容体拮抗薬であるスピロノラクトンをKlotho低発現マウスに投与すると, 血漿中の1,25(OH)2D3, FGF23, カルシウム, リン濃度に影響はなく, 血管石灰化や異所性石灰化が抑制され, 寿命が延長される. また, 骨化誘導因子であるPIT1やTnf-αのmRNA発現を低下させ, 石灰化した組織における骨化マーカーの発現やアルカリホスファターゼ(ALP)活性を低下させる. ヒト血管平滑筋細胞(HAoSMCs)において, アルドステロンは濃度依存的にPIT1 mRNAの発現を上昇させるとともに, 骨化転写因子であるCbfa1の発現をも上昇, またALP活性も亢進させる. このアルドステロンの作用はスピロノラクトンの添加, PIT1のノックダウン, Klothoを受容体とするFGF23の添加によって可逆的に抑制されるが, KlothoをノックダウンするとFGF23による抑制効果は消失する. 以上より, アルドステロンは血管石灰化や異所性石灰化に関与しており, 少なくともその作用の一部はスピロノラクトンに感受性のあるPIT1依存的な骨化誘導シグナルを介して生じていることが示された.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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