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Think about Pain

心と身体のインターフェース 連載最終回 慢性疼痛とコンテクスト

丸田俊彦

Practice of Pain Management Vol.5 No.2, 32-36, 2014

「はじめに」これまで3回にわたり, 慢性疼痛の臨床において心と身体がいかに近いものであり, 心身不可分であるかをめぐり理解を深めるため, 「オペラント条件付けと『痛み行動』」, 「慢性疼痛と抑うつ」, 「プラセボ効果と『内なる治癒力』」について論じてきた. <心と身体のインターフェース>最終回は, 少し視点を変え, 乳幼児研究と精神療法プロセス研究のデータを取り入れながら, 「慢性疼痛の患者をもう一歩踏み込んで理解しようとすれば, 痛み行動が発症・展開・変遷する, その『コンテクスト』を常に念頭においておくことがいかに重要であるか」を考える. 「(1)乳幼児A: ソーシャル・リファレンシング」「コンテクスト」を発達上の現象として理解する概念のひとつとしてソーシャル・リファレンシング1)がある. よちよち歩きの幼児Aが, 母親と戯れているうち興に乗り過ぎてテーブルの角に頭をぶつける.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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