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座談会(Round Table Discussion)

関節リウマチにともなう痛み

竹内勤山中寿田中良哉田口敏彦

Practice of Pain Management Vol.3 No.3, 6-15, 2012

はじめに
田口(司会) 本日は「関節リウマチにともなう痛み」をテーマに座談会を行います.関節リウマチ(Reumatoid Arthritis;RA)治療のエキスパートとして日本を代表する3人の先生をお招きして,RA治療について「痛み」という切り口からお話を伺います.東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿先生,産業医科大学医学部第一内科学講座教授の田中良哉先生,慶應義塾大学医学部リウマチ内科教授の竹内勤先生におこしいただきました.
 近年,「疾患の一症状ではなく痛みそのものを疾患として捉える」という考えのもと,慢性疼痛治療に取り組む動きが,医学界のみならず,国の政策としても進められるようになりました.そこで,RA治療の領域において,痛みについてどのように取り組まれているのかを考えていきたいと思います.

出席者(写真左から順)
慶應義塾大学医学部リウマチ内科教授
竹内 勤

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長
山中 寿

産業医科大学医学部第一内科学講座教授
田中良哉

山口大学大学院医学系研究科整形外科学教授
田口敏彦(司会)

RA治療の現状

1.RA治療の変遷
田口 山中先生がセンター長を務められる東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターでは,内科と整形外科の先生方が集まりRA治療にあたっていると伺っております.まずはじめに,RA治療の変遷について総括的にご解説ください.
山中 RA治療では,1990年代頃まで疾患活動性を十分にコントロールできる有効な薬剤の選択肢があまりなく,治療の中心は疾患活動性を抑えることによる,疼痛コントロールにあったといえます.手術療法についても,もちろん機能障害のレスキューとして行われるのが基本ですが,疼痛コントロールの一環としての側面も重要でした.

 その後,1990年代後半~2000年代にかけて,RAの疾患活動性を有効に制御できる薬剤が次々と登場したことにより,RA診療は「ケア(Care)」から「キュア(Cure)」へと大きく変遷を遂げ,RA患者の予後に大きな影響を与えました.当センターでは,RA患者の疾患活動性を含めたさまざまな情報のデータベースを作成する目的で,2000年よりIORRA(Institute of Rheumatology Rheumatoid Arthritis)という大規模調査を行っています.2000年の時点では,疾患活動性が高疾患活動性に分類される患者は全体の20%で,寛解に分類される患者は6%に留まっていました.しかし,現在では高疾患活動性の患者は3%,寛解は33%という結果になっており,このことからも近年の治療の発展により疾患活動性が非常によく制御されるようになったことがわかります.
 この変化の大きな要因としては,まずメトトレキサートが十分な量で多くの人々に投与されるようになったこと,加えて,2003年以降にTNFやIL-6をターゲットとした薬剤,さらにT細胞をターゲットとした生物学的製剤が治療に導入されたことが挙げられます.

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