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座談会(Round Table Discussion)

片頭痛の前兆について~トリプタン内服のタイミングも含めて~

平田幸一五十嵐久佳福武敏夫海野佳子

Headache Clinical & Science Vol.6 No.2, 5-13, 2015

「前兆のある片頭痛」については,国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)における定義の変更や,皮質拡延性抑制(CSD)の関与も明らかになりつつあるが,いまだ解明されていない部分も多い.視覚症状,言語症状,アロディニア(異痛症)など,出現する前兆や予兆にはさまざまなものがあるが,それらの徴候を見逃さないことが大切である.本座談会では,前兆と予兆の違いの他,前兆のある片頭痛の病態や診断法,トリプタン内服のタイミングなどについて,臨床的経験に基づきディスカッションしていただいた.
「片頭痛の前兆とは」
「1.前兆に関する定義の変遷」
平田:日本神経学会・日本頭痛学会が2013年に改訂・発行した「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」(以下,ガイドライン)によると,片頭痛の前兆とは皮質拡延性抑制(cortical spreading depression:CSD)や脳血流低下が後頭葉から約2~3mm/分の速度で大脳前方に広がる拡延性乏血(spreading oligemia)といった現象により起こると考えられています1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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