座談会(Round Table Discussion)
脈管侵襲陽性肝癌の治療限界
The Liver Cancer Journal Vol.9 No.2, 13-19, 2017
門脈や肝静脈などの脈管への侵襲は肝細胞癌の重要な予後因子であり,腫瘍栓の進展に伴い予後はさらに不良となる。脈管侵襲陽性肝細胞癌に対する治療は,肝障害度や腫瘍数によって肝切除あるいは化学療法が選択される。腫瘍栓を有する高度脈管侵襲陽性例には分子標的薬が第一選択であるが,その効果は限定的であり,治療成績向上のためさらなる治療法の開発が求められている。再発を防ぎ予後改善を図るには肝切除が有用であり,Conversion surgeryにも期待がかかる。
本座談会では,脈管侵襲陽性例に対する内科治療,外科治療の限界ならびに治療限界の拡大に向けた工夫を,内科,外科の立場からエキスパートの先生方にご討議いただいた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。