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Topics of HCC

ウイルスでヒト進行肝細胞癌を治療する―Oncolytic and immunologic therapy with JX-594―

鳥村拓司佐田通夫

The Liver Cancer Journal Vol.5 No.2, 46-51, 2013

「はじめに」切除不能進行肝細胞癌の標準治療としてソラフェニブが世界的に認知されている. しかし, その予後延長効果は無治療群と比較してもわずか3ヵ月であり, 決して満足のいくものではない. 世界中で, ソラフェニブ以外のさまざまな分子標的薬を用いた臨床試験が数多く行われているが, 現在のところソラフェニブを凌ぐ治療効果を示す結果は得られていない. このため, 分子標的薬以外の新たな治療法の模索も積極的に行われている. 細胞に感染し, その細胞を溶解壊死に陥らせる特性を有するoncolytic virusを用いた悪性腫瘍に対する治療に関し, 1990年代後半からアデノウイルス, ヘルペスウイルス, ワクシニアウイルスなどを用いて基礎的研究が行われてきた1)-3). このうち人工的にワクシニアウイルスの遺伝子を改変することで腫瘍細胞内において特異的に増殖し, さらに腫瘍免疫能を増強させたウイルスであるJX-594は現在, 肝細胞癌をはじめとしたさまざまな切除不能の進行癌に対する新たな治療法とすべく積極的に前臨床および臨床試験が行われている4)-6).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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