Visual View 目で見るメカニズム
骨髄異形成症候群の病態解明
Trends in Hematological Malignancies Vol.2 No.2, 4-5, 2010
急性骨髄性白血病(AML)においては, RUNX1-RUNX1T1などの融合遺伝子や, NPM1などの変異の有無が予後の推定や治療法の選択に有用であり, 2008年のWHO分類にも取り入れられている. 染色体異常は骨髄異形成症候群(MDS)の多くに認められ, 予後とも相関することから, 責任遺伝子の探索は世界中で行われ, 5q-領域からは複数の候補遺伝子が報告された. また, RAS, RUNX1などの変異遺伝子も報告されている. しかし, 病態との関連や治療の選択における有用性は5q-症候群以外では明らかでなく, WHO分類に反映された変異遺伝子はない. 2005年に報告された骨髄増殖性腫瘍(MPN)におけるJAK2 V617F変異の例をとるまでもなく, 高頻度でみられ, 疾患の発症もしくは進展に重要な役割を果たす変異遺伝子の同定は, 病態解明のみならず診断や治療に与える影響も大きい.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。