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日本造血細胞移植学会

第31回日本造血細胞移植学会

2009年2月5日~6日 於 札幌

日野雅之

Trends in Hematological Malignancies Vol.1 No.1, 42-43, 2009

「はじめに」2009年2月5日~6日, 外には「雪祭り」のすばらしい雪像が並ぶ最中, 「パイオニアスピリットと移植医療の進歩」をテーマに第31回日本造血細胞移植学会が札幌で開催された. 過去最高の500題を超える演題発表と「同種移植時の免疫細胞療法の進歩」, 「Chronic GVHD-Recent Progress and Controversy」, 「臍帯血移植の進歩」, 「自家造血幹細胞移植のUpdate」の各シンポジウム, さらに日本輸血・細胞治療学会および日本アフェレシス学会との合同シンポジウム「非血縁PBSCTに向けて」が企画された. その他, 特別セミナーとして, 急性移植片対宿主病(graft versus host disease;GVHD)と移植後の真菌感染症のサーベイランスが取り上げられ, 学会セミナーとして, データ一元化に関連した生物統計・データマネージメントセミナーが企画された. 「シンポジウムでは」同種造血幹細胞移植においては, 免疫細胞療法としての根幹である移植片対白血病/腫瘍(graft versus leukemia/tumor;GVL/T)効果と, 副作用としてのGVHDをいかに制御するかが同種移植の成果を左右するが, 「同種移植時の免疫細胞療法の進歩」のシンポジウムでは, T細胞存在下では, HLAミスマッチ移植はGVHDを引き起こすが, T細胞が除去された状況では, HLA class I分子を認識するドナー抑制性NK細胞受容体KIR(killer cell immunoglobulin-like receptor)とリガンドのミスマッチにより, HLA class I分子の発現が低下または消失した白血病細胞に対する攻撃(GVL/T効果)とともに, 抗原提示細胞である患者樹状細胞に対する障害によりGVHDを抑制すること, また血液細胞にのみ発現しているマイナー抗原をターゲットにしたペプチドワクチンの開発により, 他の組織に対するGVHDを惹起せず, 血液細胞である白血病細胞に対するGVL効果が期待できること, さらに間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell;MSC)によるT細胞を介する同種免疫の抑制作用を利用したGVHD治療の臨床試験や, ガンシクロビル投与により排除可能なHSV-TK遺伝子を導入したドナーリンパ球を用いた免疫細胞療法の臨床試験などが紹介された.

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