エキスパートの治療法―症例から考える―
胃癌手術時の腸瘻造設の適応・効果について
胃がんperspective Vol.10 No.2, 36-41, 2019
年齢性別:59歳,男性
主訴:嘔吐,食欲不振,体重減少(-6kg/5ヵ月)
所見:上記主訴にて上部消化管内視鏡検査を行ったところ,胃内には液貯留が多量にあり,体中部~幽門部にかけて粘膜浮腫,発赤,びらんを認め,壁の伸展は不良であった。生検でGroup5(por)。
CTでは,上腹部から骨盤内まで中等量腹水を認めた。
4型進行胃癌,腹膜播種疑いの診断にて,審査腹腔鏡施行。
横隔膜から骨盤内に至る無数の腹膜播種結節あり。洗浄細胞診は陽性であった。
胃体部から幽門まで全周性に壁の硬化,漿膜面への癌の露出を認めた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。