特集 次期改訂に向けて~大腸癌取扱い規約の改訂に望むこと
「SM浸潤距離」の評価,標準化がなされているか―評価の現状と問題点―
Present Status and Problems for the Evaluation of SM invasion in Colorectal Carcinomas Perspective toward Its Standardization
大腸癌FRONTIER Vol.5 No.3, 26-30, 2012
「Summary」大腸癌研究会プロジェクト研究「1,000μm以上のSM癌のリンパ節転移リスクの層別化」の検討結果から, SM浸潤距離評価の現状と標準化へ向けての今後の方向性について考察した. 非有茎性SM癌については浸潤距離を1,000μm未満か以上かに2分し, 「粘膜筋板の走行が同定・推定可能病変」ではSM浸潤距離を測定し, 「粘膜筋板の走行が同定・推定不能または消失病変」は自動的に1,000μm以上と判定することが, 再現性を考慮した場合の限界と考えられた. 有茎性SM癌については「頭部と茎部の境」を基準線とした評価法への変更の必要性が示唆された. その際には「頭部と茎部の境」についての病理医間でのコンセンサスや, 有茎性か非有茎性かの臨床診断の精度を高めること, 同評価法の有用性について検証を併行して行う必要がある. 「はじめに」SM浸潤距離は, 内視鏡的摘除大腸pSM癌の治療方針を決定する上で重要な役割を果たしている.
「Key words」大腸pSM癌,SM浸潤距離,評価法,再現性,標準化
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。