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診断(Epilepsy)

特発性てんかんにおける誘発発作

井上有史

Epilepsy Vol.2 No.2, 41-46, 2008

「はじめに」刺激誘発発作(反射てんかん発作)は, てんかん原性および脳機能のメカニズムを知る貴重な素材である. ほとんどすべての脳機能が発作の誘因(刺激感受性因)になりうると推測されるが, 現在までに知られているものは限られている(図1). 誘因を大きく分けると, 比較的メカニズムの単純なものと複雑なものがある. 単純なものとは視覚, 身体感覚, 固有知覚, 驚愕などであり, 複雑なものとは認知機能や情動を伴う精神機能が関与するものである. 複雑因では一般に, 単純因と比べて, 刺激入力から誘発までに時間を要し, 自生性発作も有することが多い. また誘因の重なりがみられ, 非特異的な要因(疲労やストレスなど)の影響を受けやすい. これらの誘発因は局所的あるいは領野的な脳機能に関係する. 逆にいえば, より広範な脳機能が関係する誘発因をわれわれは知っていないか, 知る術をもっていない. これらの誘因により部分性のてんかん原性が活性化され, あるいは全般性のてんかんメカニズムが誘発される.

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