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座談会(Round Table Discussion)

慢性胃炎への除菌適用後1年を経過して:何が変わったのか

浅香正博水野元夫間部克裕藤森研司David Y.Graham

THE GI FOREFRONT Vol.10 No.2, 49-59, 2014

「1 慢性胃炎に対する除菌例数の増加について」
浅香:2013年2月に「H.pylori感染胃炎」いわゆる慢性胃炎に対する除菌が保険適用されました。H.pylori除菌の保険適用は2000年の胃潰瘍・十二指腸潰瘍,2010年の胃MALTリンパ腫,特発性血小板減少性紫斑病,早期胃がんに対する内視鏡的治療後があり,いずれも主としてH.pylori専門医が除菌療法を行ってきましたが,わが国に3,000~3,500万人いるとされる慢性胃炎に対する除菌療法については,内視鏡の非専門医あるいは他科の一般医も多く携わっているものと考えられます。保険適用に際しては,内視鏡検査によりH.pylori感染胃炎である所見を確認するという条件があって,患者に詳しい説明をしない安易な除菌療法は行われていないと思われますが,除菌適用拡大後1年を経過した時点で除菌療法の実態について認識しておくことが重要だと思われます。まずは,先生方が除菌例数の増加をどのように実感されているかについてお伺いします。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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