DEBATE ON GI THERAPY ディベート
NSAIDs/LDAの小腸粘膜傷害に対する予防投与は必要か?
THE GI FOREFRONT Vol.9 No.2, 59-68, 2014
本企画は, 問題点をより明確にすることを目的としているため, ここでの論者による議論は, あえて一方の見地に立った場合のものであり, 必ずしも論者自身の確定した意見ではありません. 「NSAIDs/LDAの消化管粘膜傷害の実態」三輪 今回は, NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)およびLDA(低用量アスピリン)の小腸粘膜傷害に対する予防投与の必要性について検討したいと思います. 樋口和秀先生には「必要である」とする立場, 塩谷昭子先生には「必要でない」とする立場にあえて立っていただき理解を深めたいと思いますが, まずはNSAIDs/LDAの胃粘膜傷害の実態について塩谷先生にご説明いただきます. 塩谷 わが国のコホート研究では, NSAIDs新規内服患者17,270例を対象とした非アスピリンNSAIDsによる上部消化管出血の発生頻度は, NSAIDsが129人/10万人/年に対して, LDAは265人/10万人/年と報告されています(REFERENCE 1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。