特集 わが国のGERDにおける諸問題
GERDの診かた―薬物によらない内科的治療―
THE GI FOREFRONT Vol.8 No.1, 27-29, 2012
GERD治療の中心となるのはPPIを中心とした胃酸分泌抑製薬の投与であるが, 日常生活のなかには肥満, 食後の体位, 喫煙, 飲酒, 高脂肪食, 遅い夕食の摂取などGERDの発症や増悪因子が多く認められる. 生活指導はメタボリック症候群の発症予防にもなり, GERD治療の原則として認識しておく必要がある. 「はじめに」胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)は, 胃酸を中心とした胃内容物の食道への逆流で起こるため, プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬により胃酸分泌を抑制すると症状は著しく改善し, 逆流性食道炎も治癒する. したがって, 胸やけ症状を訴える患者に対しては, 即, 胃酸分泌抑制薬を投与し, 長期維持療法を行いがちであるが, 薬剤医療経済や薬剤の長期などによる副作用を考えると, 生活習慣の改善など薬剤によらない治療でコントロールできれば理想的である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。