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特集 運動とアンチエイジング

マイオカインによるアンチエイジング効果

青井渉

アンチ・エイジング医学 Vol.17 No.5, 21-25, 2021

骨格筋は,身体活動を支えるとともに,血液中の糖や脂質の多くを消費する代謝臓器として重要な働きがある。また近年,生理活性を有するタンパク質や低分子ペプチドなど,マイオカインを産生する分泌臓器としても認識されるようになった。分泌されたマイオカインは,自己分泌,傍分泌,さらに内分泌経路により,さまざまな臓器に働きかけ,機能を調節することが明らかになり,多くの生命科学領域において注目されている(図1)1)。マイオカインの多くは,筋収縮によって分泌が促進されることから,運動によって得られる急性の生理応答,ならびに習慣的運動による適応に深く関与する。また,疾患リスクや加齢に伴う運動器の減弱にも影響を及ぼすこともわかり,臓器連関のメカニズムから創薬開発まで幅広い視点で研究が進められている。本稿では,特に運動器,代謝機能,炎症・発がんに焦点をあて,マイオカインのアンチエイジング効果について紹介する。
「KEY WORDS」骨格筋,マイオカイン,運動,加齢,臓器連関

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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