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国際軟骨修復学会(ICRS)

第9回国際軟骨修復学会(ICRS2010)

亀井豪器安達伸生越智光夫

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.9 No.1, 84-85, 2011

 2010年9月26~29日まで,スペインのバルセロナ・シッチェスで行われた第9回国際軟骨修復学会(International Cartilage Repair Society;ICRS)に参加しました.シッチェスはバルセロナから西へ電車で約40分程度の海岸沿いに位置するリゾート地です.白色に統一された家屋,ホテルが並び,9月末ではありますが,海岸では多くの人が日光浴,海水浴を楽しんでおり,日本とは異なりゆっくりとした時間が流れていました.

 ICRSでは,基礎から臨床までさまざまな分野の招待講演を基本にして,一般口演144題,ポスター338題が発表され,日本からも6題の招待講演(中村憲正先生,星 和人先生,石井朝夫先生,越智光夫先生,安達伸生先生),6題の口演,34題のポスターが発表されました.ICRSは関節軟骨に関する人工関節以外ほぼすべての分野を幅広く扱っており,4日間にわたり招待講演を中心に行われるため,これまでの知識の整理ができ,またこれまで知らなかった分野の講演をゆっくりと聞くことができ,大変有意義な学会となりました.また,ポスター展示で質疑応答の時間はとられていなかったのですが,多くの人がポスター会場を行き来し,議論されていました.今回の学会は世界各国から約1,100人が参加して行われ,臨床研究では,新しいbiomaterial/bioengineering technologyを用いた軟骨再生研究やtissue engineering/tissue regeneration研究のための動物モデルに焦点が当てられ,また基礎分野では,biomarker,proteomics & genomicsや新たな画像評価技術について多くの報告がなされていました.再生医療の研究では,cell,scaffold,growth factorをさまざまに用いて研究が行われていますが,臨床応用を考えていくうえでは,使用するsourceができる限り少ないほうが有利です.軟骨再生研究でも同様であり,今学会でも,scaffold-freeで三次元構造を作成しそこに幹細胞や軟骨細胞を導入する方法や,scaffoldの改良による培養軟骨移植技術の発展,platelet-rich plasmaなどの現在臨床に応用されている因子を併用する方法など,より少ないsourceで軟骨再生を目指している研究が多く報告され,非常に興味深いものでした.しかしながら,現時点では高い技術を必要とする方法が多いのが現状であり,あらゆる施設で応用できるものではありません.軟骨治療に関しては現在臨床で行われている,骨穿孔術,骨軟骨柱移植術,培養軟骨移植術を含めてgolden standardとなるような治療方法は確立されておらず,今学会に参加し,さらにより良く,簡便な方法を発見していく必要性を感じ,今後の研究・臨床に向け大いに励みとなりました.

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