特集 腎臓再生医療の現状
腎内在性幹細胞から腎臓再生
kidney reproduction using the kidney internal stem cells
Nephrology Frontier Vol.14 No.2, 18-21, 2015
「SUMMARY」再生研究は日進月歩で進みつつあり,さらに実用化において,再生医療3法も施行され,実臨床への応用も近付きつつある.腎臓領域においては腎臓の機能・構造的な特殊性などにより実現は困難なことが推測されるが,腎臓幹細胞の同定,iPS細胞からの腎臓細胞作製,また細胞治療といった治療応用や,腎臓構造体の試験管内での作製といった臓器作製など,進歩してきている.腎臓においても近い将来に再生医療が実現することが期待される.
「Ⅰ はじめに」未来的な医療として,遺伝子治療が1990年代頃に期待され,多くの研究がなされてきたが,現在腎臓領域において実臨床に応用されているものはほぼ皆無であり,遺伝子治療の腎臓領域への研究も少ない.一方,再生医療は2000年初め頃,いまだ夢の範疇の課題であったが,当初はES細胞,またその後iPS細胞といった多能性幹細胞の研究が進み,2014年には,iPS細胞による網膜色素変性症に対する世界で初めての臨床試験が開始されており,夢でなく現実のものとなりつつある.
「KEY WORDS」KS細胞,腎臓再生,腎臓構造体,細胞治療,再生因子
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。