特集 高齢CKD患者のマネジメント
高齢患者での保存期CKDマネジメント
Management of older non-dialysis CKD patients
Nephrology Frontier Vol.14 No.1, 20-26, 2015
「SUMMARY」
・増え続けている高齢CKD患者は脆弱化するハイリスク集団である.
・腎臓リハビリテーションでADL・QOLが維持された「自立した高齢者」を増やすことが重要である.
・高齢者では,降圧薬(特にRAS阻害薬や利尿薬)の使用により過降圧,脱水による腎不全増悪や高カリウム血症が発現しやすい.
・高齢者の透析導入については,患者や家族と意思疎通を図り,意向や疑問を聞きながら,ともに方針を決定していく(shared decision making)ことが必要である.
「Ⅰ はじめに」<モデルケース>腎硬化症による慢性腎不全(CKDステージG4)の85歳,男性.高齢の妻と二人暮らしで,ともに軽度認知症あり.要支援2で週2回のデイサービスを楽しみにしている.1ヵ月ごとに妻と一緒に外来受診し,腎機能は安定しているが,薬が余りがちである.また,最近痩せてきて足腰が弱り,時々散歩時に躓くようになった.先日の外来では「腎機能が悪化して透析になるのが心配」と弱気に話していた.
「KEY WORDS」高齢者,腎臓リハビリテーション,サルコペニア,frailty,shared decision making
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。