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検尿ノススメ

第50回 尿中好酸球の排出から推定されること

横山貴

Nephrology Frontier Vol.13 No.3, 52-55, 2014

「はじめに」 末梢血中の白血球には, 好中球, 好酸球, 好塩基球, 単球, リンパ球がある. 各種腎・尿路系疾患によって組織中に遊走し, 尿中に排出される. 尿中に排出する白血球の大部分(95%)は好中球であり, 感染や炎症によって増加する. 疾患および病態によっては, リンパ球, 好酸球, 単球などが多く排出されることがある. 健常人において尿沈渣検査では, 強拡大(400倍)で1視野に見られる白血球は4個以下であり, 欧米では5個以上, 我が国では10個以上の白血球が認められた場合に膿尿と診断され, 尿路感染症を示唆する重要な所見となる. 尿中に排出された白血球が少数であっても, 白血球分類を行い, 詳細に観察して報告することで疾患および病態把握の一助になることがある. 本稿では, 形態学的特徴および染色性の特徴や, 疾患および病態との関係から, 尿中好酸球の意義について述べる.
「形態学的特徴」 好酸球は, 好中球とほぼ同様の形態を呈するが, 粗大な顆粒を有することが特徴である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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