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検尿ノススメ

第41回 血尿診断ガイドラインと尿沈渣検査

横山貴田邉一成新田孝作

Nephrology Frontier Vol.11 No.2, 49-53, 2012

「はじめに」尿検査所見で重要なのは血尿の有無である. 血尿とは末梢血中の赤血球が, 様々な原因によって尿に混入した状態であり, 腎・泌尿器系疾患の診断と治療のための重要な症候である. 血尿の程度によって, 肉眼的血尿, 顕微鏡的血尿, 無症候性血尿, 症候性血尿の4種類に分類され, 尿1,000mLに1mL以上の血液が混入すると肉眼的血尿として認識される. 血尿診断ガイドラインでは, 血尿のスクリーニング検査として尿試験紙法による尿潜血反応があり, (1+)(ヘモグロビン0.06mg/dL)以上を陽性とする. 陽性の場合は, 尿中赤血球数算定のため確認試験を行う. 確認試験には無遠心尿でのフローサイトメトリー法(FCM法)と目視法(鏡検法)があり, 前者は20個以上/μL, 後者は強拡大400倍で1視野に5個以上(5個以上/HPF)の赤血球が認められた場合を血尿と定義している1). 血尿には血友病, 紫斑病などの出血性素因があるものなどによる腎前性血尿, 急性・慢性腎炎, 腎細胞癌, 嚢胞腎などによる腎性血尿, 尿路の炎症, 腫瘍, 結石などによる腎後性血尿がある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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