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巻頭言

基礎研究の重要性

森尾友宏

再生医療 Vol.18 No.2, 3, 2019

再生医療等安全確保法,医薬品医療機器等法が定着し,様々な成果や課題が生まれてきた。第1種再生医療等技術として申請される特定細胞加工物やiPS細胞由来の特定細胞加工物の治験の件数も緩徐に増加しつつある。条件及び期限付き承認となる再生医療等製品も増加し,薬事・食品衛生審議会(薬食審)での審査数もまた増加傾向にある。
一医療者としては,再生医療等製品の薬価が気がかりであるが,それは再生医療等製品に限らず,バイオロジクスなど医薬品一般についての懸念事項でもある。医療産業は経済活動を活性化するが,個人的には,元来医療は経済的価値よりも社会的価値の高い領域と認識している。Inborn Errors of Immunity(原発性免疫不全症)を主たる領域として診療・研究に当たる医療者としても,製薬企業が稀少疾患の治療薬(遺伝子治療や核酸医薬等)にまで目を向け始めたことは歓迎すべきことと思っているが,高額な薬価がその基盤,incentiveにあると思うと複雑な思いがする。私たちはそのような現状を横目に継続した基礎研究から,より効果が高く価格破壊できるような技術の開発を目指している。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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