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Ⅰ.再生医工学のための材料工学・加工技術の最前線

患者個人情報に基づく血管三次元構造の構築技術

新井史人内田智之池田誠一大浦裕就根来真松田武久福田敏男

再生医療 Vol.7 No.2, 26-31, 2008

「はじめに」血管狭窄を含む病変血管壁を治療する1つの方法として, 人工血管の移植手術がある. 今日, 大・中口径の動脈の人工血管による置換術はおおむね臨床的に満足しているが, 内径5mm以下の小口径人工血管では移植後の開存率が極めて低く, 開存率の高い小口径人工血管の開発が求められている. この開発において, 細胞・多孔質足場(スキャフォールド)・細胞成長因子の3要素を組み合わせて生体外で組織を再生し, 病変組織と代替して機能・構造を再現する組織工学が注目を集めている. また, 特に移植後一定期間後に分解して消失する生分解性人工材料に大きな期待が寄せられている. 本稿では, 我々独自のテーラーメイド血管形状再構築技術をもとにした, 生分解性かつ多孔質な頸動脈人工血管の開発事例を紹介する. 組織工学のための多孔質足場開発技術 血管を人為的に再生する血管組織工学において, 小口径人工血管には, (1)生分解性, (2)多孔性, (3)宿主血管に近い弾性の3つの条件が期待される.

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