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Ⅱ.再生医学のナノテクノロジー

血管疾患遺伝子治療用高分子ミセル型ナノ構造体

大庭誠小山博之片岡一則

再生医療 Vol.5 No.1, 78-83, 2006

近年, さまざまな疾患に対して遺伝子を直接導入する遺伝子治療に関する研究が盛んに行われており, その実現に大きな期待が寄せられている. 遺伝子を輸送する担体として従来から用いられてきたウイルスベクターは, 抗原性などの安全面や, 搭載可能な遺伝子の大きさに制限があるなどの問題が指摘されている. このような問題点を解決するシステムとして, ウイルスに依存しない非ウイルス型の遺伝子ベクターに注目が注がれている. 非ウイルス型遺伝子ベクターとしては, カチオン性脂質と遺伝子DNAとの静電相互作用に基づく会合体であるlipoplexや, カチオン性の高分子電解質との会合体であるpolyion complex(PIC, polyplex)がよく知られている. これらのベクターは, 搭載可能な遺伝子のサイズに制約が少なく, 安価で大量に調製可能であり, in vitroでの遺伝子導入では良好な結果が得られている. しかしながら, 生理条件下での安定性の問題や, 水溶性を向上させるためにカチオン性脂質や高分子電解質を過剰に加える必要があり, 静脈内投与を行った場合には, 細網内皮系による非特異的処理を強く受けてしまう.

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