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専門家に聞くインフルエンザウイルス講座

第10回 インフルエンザ脳症の最新知見

小澤真河岡義裕

インフルエンザ Vol.18 No.1, 49-52, 2017

季節性インフルエンザは,咽頭痛,鼻汁,鼻閉,咳,痰などの気道炎症症状を主徴とし,発熱や悪寒,倦怠感,筋肉痛などの全身症状をともなう急性呼吸器疾患ですが,その致死率は0.1%未満です.高齢者や乳幼児,妊婦,あるいはほかの慢性呼吸器疾患や心疾患,糖尿病や慢性腎臓病などの持病を抱える患者さんでは,難治性のウイルス性肺炎に移行する重症化リスクが高いことが知られていますが,このような重症例の多くも病態としては呼吸器疾患の範疇に収まります.その一方で,季節性インフルエンザの病態のひとつとして,小児を中心にみられる急性の神経症状があります.今回は,「インフルエンザ脳症(正式名称:インフルエンザ関連脳症influenza-associated encephalopathy)」として知られる本疾患について,その発見に至るまでの歴史的経緯,発症機序および遺伝的要因を中心に解説したいと思います.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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