<< 一覧に戻る

インフルエンザ講座

(23)IC₅₀の求め方

木曽真紀河岡義裕

インフルエンザ Vol.8 No.1, 58-62, 2007

[はじめに] 近年猛威を奮っているH5N1鳥インフルエンザをはじめ, インフルエンザ感染症の治療には抗インフルエンザ薬が広く使用されるようになった1). しかし, 薬剤の使用については常に耐性の問題がつきまとう2)3). 抗インフルエンザ薬においても耐性ウイルスの検討がされている. 薬剤耐性ウイルス検出法の1つとして, 薬剤に対するウイルスのIC50値を比較する場合がある. インフルエンザウイルスと薬剤, IC50値について解説する. 「1 酵素の知識」インフルエンザウイルスの粒子表面に存在するノイラミニダーゼは酵素であり, その基質はシアル酸である. シアル酸は酵素分子の活性部位に結合し, 酵素-基質複合体を形成する. 一般に, 酵素は特定の反応だけを触媒する基質特異性をもつ. 活性部位の立体構造は, 鍵と鍵穴の関係のように特定の基質と結合できる構造になっている. 酵素と基質の反応速度は酵素濃度や基質濃度に依存するが, 基質濃度がある程度以上になると速度は上昇せず一定化する(図1). この最大速度がVmaxである. さらに, Vmax/2(最大速の2分の1)の価を得るのに必要な基質濃度をKm(ミカエリスメンテン定数)という. ノイラミニダーゼ阻害薬は基質であるシアル酸とよく似た化学構造をもち, ノイラミニダーゼの活性部位に結合し, 基質の結合を妨げる拮抗阻害型の反応を示す.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る