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特集 過食時代における高血圧の病態と最新治療ストラテジー

脂肪組織からアディポサイトカインを介した代謝情報ネットワークと高血圧

吉本貴宣小川佳宏

血管医学 Vol.13 No.3, 27-33, 2012

「Summary」脂肪組織から分泌される種々の生理活性物質は, アディポサイトカインと総称されており, 肥満における脂肪組織ではアディポサイトカインの産生調節の破綻が生じる. 一方, 臨床的には肥満では血圧上昇が認められることが報告されている. 本稿では肥満における高血圧発症・進展の機序について, (1)高レプチン血症を介した交感神経活動の亢進, (2)アディポネクチンと炎症アディポサイトカインの不均衡から生じる脂肪組織炎症と血管機能障害, (3)脂肪組織を起点としたレニン・アンジオテンシン系(RAS)活性化, といったアディポサイトカインネットワークの異常の視点から解説する. 「はじめに」肥満は, 高血圧, 糖脂質代謝異常の発症から動脈硬化性疾患, さらに終末像として心血管死につながる重要な起点であり, その概念はメタボリックシンドロームあるいはメタボリックドミノとして注目されている. 肥満は余剰エネルギーによる脂肪組織の増大に起因するが, 近年, 脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく, 栄養状態をアディポサイトカインと総称される生理活性因子を介してほかの代謝臓器に伝達する内分泌臓器であると考えられている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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