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特集 血管系のin vivoイメージング

哺乳類動物の固定組織の大規模・高精細3次元蛍光観察

濱裕宮脇敦史

血管医学 Vol.13 No.2, 47-52, 2012

「Summary」蛍光タンパク質技術, 遺伝子導入技術の発展に伴い, 生体組織のさまざまな構造を蛍光標識することが可能になった. そうした構造を大規模・高精細に3次元で再構築するという網羅的研究アプローチがますます盛んになっている. われわれが最近に開発したScale試薬は, 蛍光標識を損なうことなく固定生体組織を透明化する. したがって, 組織を切ることなく表面から深部を蛍光観察することができるようになった. Scale技術をマウス脳に適用し, 神経回路や神経投射の可視化, あるいは, 血管と神経幹細胞の相互作用の定量などを行った実験例を紹介する. 「はじめに」現代の形質転換技術や遺伝子導入技術を使えば, マウスなど実験哺乳類動物のさまざまな構造を選択的に蛍光タンパク質の蛍光で標識することができる. 標識した組織をホルマリンで固定し, 蛍光を指標に構造を可視化し3次元的に再構築する技術がますます注目されてきている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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