消化管の新たな映像
術中近赤外蛍光イメージング
Frontiers in Gastroenterology Vol.18 No.4, 48-53, 2013
[はじめに] 近赤外線領域(700-900nm)は, 組織からの自家蛍光がほとんど認められず, かつ組織への透過性が高いため, 可視光領域に比べてバックグラウンドが低く, ある程度深い組織までの観察が可能であり, 蛍光イメージングに最も適していると考えられる1). われわれは, 近赤外領域の2波長(700nmと800nm)の蛍光画像と, 白色光画像の計3画面を同時に表示できる術中蛍光イメージングシステム(fluorescence-assisted resection and exploration: FLARE(TM))を開発し2), 2010 (平成22)年11月より, 北海道大学病院において外科手術での臨床応用を開始している. 本稿ではその概要と実際の使用例, さらに動物実験による新たな臨床応用への試みについて述べる. [FLARE(TM)の概要] FLARE(TM)の概要を図1に示す.
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