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脳循環障害の画像診断

頭部回旋と嚥下運動により内頸動脈が移動し,舌骨との接触によって内腔に血栓を生じることで一過性脳虚血発作を繰り返した一例

徳永敬介上原敏志斎藤こずえ金丸英樹片岡大治正畠良悟山本佳史髙橋淳豊田一則

脳と循環 Vol.20 No.1, 51-55, 2015

「症例」48歳,女性,右利き.
「主訴」一過性の左半身の脱力と痺れ.
「既往歴」シェーグレン症候群(2003年~).
「内服薬」ワルファリン3mg,クロピドグレル75mg,プレドニゾロン5mg.
「生活歴」喫煙1日5本,飲酒歴なし.
「現病歴」X 年2月より左半身の脱力と痺れを症状とする一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)を繰り返すようになった.近医で精査されるも原因不明であり,さまざまな組み合わせの抗血栓薬を試されるも再発を繰り返すため,X+2年2月に当科入院となった.
「入院時現症」身長154cm,体重48.9kg,血圧121/87mmHg,脈拍数73回/分(整),体温36.6℃,頸動脈雑音なし,乾燥症状(ドライアイ,口渇感)を認める,両下腿に紫斑を多数認める,神経学的異常所見なし.
「検査所見」血液検査では抗核抗体が320倍,抗SS-A抗体と抗SS-B抗体が陽性であった.尿検査,髄液検査では特記すべき所見を認めなかった.経胸壁心エコー,経食道心エコー,下肢静脈エコー,ホルター心電図では明らかな心腔内血栓,発作性心房細動,深部静脈血栓などの塞栓源を認めなかった.頸動脈エコーでは,右内頸動脈(internal carotid artery:ICA)は分岐直後から奥へ深く入り込むため観察困難であった.脳波ではてんかん波を認めなかった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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