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第84回感染機構と防御機構 多剤耐性の遺伝子発現

水口徹品川雅明目黒誠西舘敏彦沖田憲司中江舞美栗林景晶舛森直哉平田公一

Surgery Frontier Vol.22 No.1, 52-55, 2015

「はじめに」多剤耐性菌は大きく4つの機序で薬剤耐性を獲得するとされる。
①薬剤に対する作用部位の改変・保護
②抗菌剤の不活化
③抗菌剤の膜透過性阻害
④抗菌剤排出の亢進
である1)。これらは,遺伝子の突然変異や遺伝子の水平伝播(horizontal gene transfer;HGT)からなる2)。遺伝子の水平伝播はプラスミドやトランスポゾンを介した細菌の感染症と揶揄される2)。また,それ自身では細胞-細胞間を伝播できないインテグロンは,プラスミドやトランスポゾンに配置されることで,寄生虫のように遺伝子を伝播する(nucleic acid parasites)。さらに,遺伝子に組み込まれているIntegrative and Conjugative Elements(ICEs)は2)3),プラスミドとしての性質のみならず,宿主の遺伝子に組み込まれて複製されるファージとしての性質も兼ね備えている(図1)。本稿では紙面の都合上,遺伝子の変異・組み換えなどの機序と多剤耐性菌として代表的なMDRP(多剤耐性緑膿菌:カルバペネム・キノロン・アミノグリコシドに耐性の緑膿菌)の耐性機序を中心に説明したい。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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