腫瘍マーカー―遺伝子・分子・蛋白マーカーの活用―
肺癌の腫瘍マーカー
Surgery Frontier Vol.13 No.4, 64-70, 2006
腫瘍マーカーは, 肺癌患者の補助的診断や術後の臨床経過, 再発のモニタリング, 治療効果の判定としての役割を果たしている. しかし, 早期発見の意義は少ない. 肺癌には主に6種類の腫瘍マーカー, carcinoembryonic antigen(CEA), squamous cell carcinoma antigen(SCC), neuron specific enolase(NSE), cytokeratin19 fragment(CYFRA), sialyl Lewisx(SLX), proGRP(progastrin-releasing protein)がある. 肺癌のみに特異的なマーカーはないが, 腺癌にはCEA, SLX, 扁平上皮癌にはSCC抗原, CYFRA, 小細胞癌にはproGRP, NSEというように, 組織型に比較的特異的なマーカーが存在し, 肺癌の組織型により適切なマーカーを利用する必要がある. 組織型未確定の肺癌の初診時に, CEA+CYFRA+proGRPの測定が推奨される.
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