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ホルモンQ&A

Q1 ホルモン依存性閉経前乳癌に投与するタモキシフェンの婦人科生殖器に与える影響について教えてください。/Q2 悪性腫瘍で化学療法を行う閉経前患者に対する卵巣保護について教えてください。

山崎玲奈小野政徳

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.27 No.2, 51-54, 2020

タモキシフェン(TAM)は,乳腺のエストロゲン受容体に結合し,抗エストロゲン作用を示すことにより癌細胞を抑制する1)。一方,卵巣に対しては,アゴニストとしての作用をもち,排卵誘発剤としての報告もある。このため,単独で使用すると卵巣が過剰刺激されることがあり,これについては半世紀前に提言され2),血清エストラジオール(E₂)値やプロゲステロン値の上昇3),卵巣の機能性囊胞の形成が報告されてきた。このTAMの卵巣過剰刺激(ovarian hyperstimulation;OHS)発生のメカニズムは,視床下部下垂体系のpositive,negative feedbackの阻害による単一あるいは多数の卵胞の発育によるといわれている4)。OHSの際の血清E₂値は1,000pg/mLを超えることも多いが4),乳癌への影響は明らかにされておらず,乳癌再発への影響は今後の研究課題である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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