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特集 着床

種差からみた着床―ヒトとの共通点と相違点―

江頭真宏廣田泰

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.22 No.3, 11-17, 2015

「Summary」着床とは,子宮と胚盤胞とのクロストークから始まる接着反応,脱落膜化,胎盤形成に至る一連の過程であり,胎児の発育やその後の妊娠の過程を左右する現象である。ヒトと,実験動物であるマウスをはじめとするその他の動物との間で着床を比較してみると,さまざまな共通点および相違点が明らかとなってくるが,一方でこの比較がヒトの着床を解明する大きなヒントになる可能性もあると思われる。本稿では,ヒトと他の動物との共通点・相違点について触れながら,ヒトの着床の特徴と,着床に含まれる一連の過程について概説する。
「ヒトおよび他の動物の着床」着床とは,胚盤胞まで成長し着床能を獲得するに至った受精卵と,胚受容能を獲得した子宮内膜との接着から栄養膜(トロホブラスト)細胞の分化による胎盤形成までの過程である1)。ヒトの場合,黄体ホルモン(プロゲステロン)による,着床開始直前に起こる子宮内膜間質細胞の脱落膜化という組織学的変化が着床の成立には重要と考えられている。ヒトの着床の開始は排卵後,約7日である。
「Key words」子宮内膜,胚盤胞,接着反応,脱落膜化,栄養膜,胎盤

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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