<< 一覧に戻る

胎児・新生児の自然免疫

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.20 No.1, 57-61, 2013

「Summary」基本的に無菌的環境にいる胎児にとって, 感染防御機構は自然免疫系の働きによるところが大きい. 胎児・新生児の個々の自然免疫細胞は, 成人と比べて遊走能, 貪食能, 抗原提示機能など劣っている点が多く, またpolyfunctionalに多様なサイトカインを産生できない. 胎児期のサイトカインバランスは, pro-inflammatoryなTNF-α, INF-γなどのTh1系が抑制され, anti-inflammatoryなIL-10, IL-6, IL-23などのTh2系, Th17系が誘導されやすい. この傾向は出生後の易感染的環境に入ることにより変化しはじめ, Th1系が発達するようになる. また胎児・新生児の自然免疫系も医療的介入や感染以外の環境による影響を受ける可能性があり, 個々の免疫的な発達段階に応じた医療ケアを考える必要がある. 「発生」近年の免疫学の進歩により, 自然免疫系による感染防御の最前線での働きは, 獲得免疫系との相互作用も含めてきわめて重要な位置づけとなっている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録