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特集 ジェンダーと血栓症

Ⅴ.抗血栓療法とジェンダー 1.抗凝固治療の男女差

鈴木信也山下武志

血栓と循環 Vol.23 No.4, 44-47, 2015

「論文のポイント」
[1]心房細動患者の脳梗塞発生率の男女差については,欧米ではとくに75歳以上では女性に多いとの報告がなされてきたが,日本のデータでは男女差は否定的である.
[2]日本のレジストリーデータを対象とした検討では,心房細動患者における抗凝固薬投与率には明らかな差はない.
[3]日本・欧米いずれのレジストリーデータでも,time in therapeutic range (TTR)は男性よりも女性の方が低いと報告されているものの,その理由は明らかではない.
[4]日本のレジストリーデータを対象とした検討では,抗凝固薬投与中の心房細動患者における出血合併症は男性の方が女性よりも多い.
[5]非弁膜症性心房細動を対象とした新規経口抗凝固薬の第Ⅲ相大規模臨床試験において,有効性に男女差が認められたとする報告はない.
[6]それぞれの男女差が意味するところを医学的,病態学的に説明することは難しく,さらなる検討を進める上では男女差を意識した観察研究の報告が必要である.
「キーワード」抗凝固療法/ワルファリン/心房細動/処方率/TTR

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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