特集 アンチテーゼとしての難治性呼吸器疾患の個別化医療
疾患の定義,診断とは?
THE LUNG perspectives Vol.26 No.2, 17-20, 2018
慢性呼吸器疾患の多くは,その定義の曖昧さと,それぞれの疾患により定義に至る視点が異なるため,特に複数病態の合併症例をとらえることが困難となる。患者に診断を下すということは,決して病名をつけることが目的ではなく,個々の患者に対する最大のメリットとなる手段を見出すことである。これまで用いられてきた種々の疾患の定義をすべて否定する訳ではないが,特に難治性疾患の病態,複数疾患の合併病態を理解するには,これまでの疾患の理解および定義のみでは限界がみえてきたのも事実である。将来的には,現在使用されている病名をいったん忘れ,分子生物学的,あるいは単に治療反応性という観点で,疾患をとらえる必要があるのかもしれない。
「KEY WORDS」定義,診断,気管支喘息,COPD,フェノタイプ,エンドタイプ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。