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第26回 炎症毒性のない抗癌免疫アジュバントの開発へ向けて(1)

THE LUNG perspectives Vol.25 No.2, 78-83, 2017

Burnetは1950年代,免疫が感染だけでなく発癌も監視しているという免疫監視機構の理論を唱えた1)。癌抗原が自己分子のアミノ酸の変異として同定されたのは1991年2),癌特異抗原や免疫編集(immunoediting)の概念が提出されたのは2002年である3)。癌抗原には変異抗原以外に精巣特異抗原,分化抗原(自己抗原)も含まれるため腫瘍関連抗原(tumor-associated antigen;TAA)と総称される。また癌細胞が免疫を逃れるに至る選択淘汰の過程には多くの因子が関与する4)。無規律に増殖する癌化細胞は毎日無数に生じているが,生物学的には中立遺伝子の変異の遺伝的浮動で説明される現象で,DNAポリメラーゼの特異性の甘さを反映する。感染症と同様な機序で免疫によって排斥されているため,みえる癌にまで増殖するに至らず,高齢まで抑制されていることはほぼ通説である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録