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基礎医学とのダイアローグ(1) 腸内細菌叢のバランスの乱れによるアレルギー性気道炎症の増悪

THE LUNG perspectives Vol.25 No.2, 63-67, 2017

近年,腸内細菌叢の乱れは炎症性腸疾患以外にも様々な疾患との関連性が指摘されている。しかし,どのような機序により腸内細菌叢の乱れが生体内に影響を及ぼしているのか,明らかにされていない点は多い。我々はそのような機序の一旦を,抗生物質を投与されたマウスの気道炎症が増強する過程を解析することで解明した。抗生物質の投与によりマウスの腸内細菌叢は乱れ,腸管内に真菌(カンジダ)の増殖をもたらした。カンジダにはプロスタグランジンE2 (PGE2)の産生能があり,抗生物質を投与されたマウスでは血中のPGE2濃度は上昇していた。PGE2には肺のM2型マクロファージを活性化する作用があり,抗原により誘発された気道炎症は抗生物質を投与されたマウスで増悪した。PGE2合成阻害薬(シクロオキシゲナーゼ阻害薬)や抗真菌薬を投与すると,M2型マクロファージの誘導は抑制され,気道炎症は軽減した。抗生物質の投与により,腸管内に特定の菌種が増殖し,腸管から離れた臓器に炎症を惹起する機序を示した。
「key words」カンジダ,気管支喘息,プロスタグランジンE2,マクロファージ,抗生物質

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録